大阪・北摂『まきた訪問鍼灸治療院』

医療・介護業界についてや、興味のある事についてなど書いていきます。あと宣伝も。

所在確認とれず、離設?徘徊?

認知症高齢者がひとりでふらふらと家(施設)から出て行って、帰ってこれなくなったりと、所在確認がとれなくなる事があります。

私が以前勤めていた施設でもごくまれですがありました。

その時の様子を何ケースかお話します。

 

f:id:makkynya:20180605205418j:plain

 

私が勤めていた施設は介護付有料老人ホーム(特定施設入居生活介護)で終身まで入れる施設でした。自由な施設であった為、居室や共用部など必要な鍵以外抑制するような事はなく、玄関は日中は誰でも自由に出入りができる自動扉で、人の目で誰が通ったか確認していました。それ以外の出入り口は職員用の出入り口か、非常口しかありません。

 

救急隊からの電話

ある日曜日のお昼前、救急隊からの電話!救急隊から電話が来ることにビックリ!(普段はかける側がほとんどなので)

裏の田んぼのあぜ道でおじいちゃんが倒れているのを誰かが通報してくれて、施設の職員の名詞を持っていたので電話をかけてくれたようだ。どのおじいちゃんかはすぐに検討がついた。毎日の日課で散歩に出かけるY氏だ。どうやらいつもと違うルートを通ったようで、前日雨が降った為その道がぬかるんでおり滑ってこけたようだ。大きなケガではない為施設に救急車で帰ってこられました。顔面は絆創膏だらけでした。家族は一人で外出する事に了承しており、もしそれでケガをした時に責任は施設には向けないと約束していました。念のため救急外来がある病院に受診しましたが、特に骨折などありませんでした。また次の日には日課の散歩に出かけられていました。

 

なぜそこに!?

夜勤中のおむつ交換は、入居者様をできるだけ起さないように薄明かりで換える事がある。ある方のオムツを交換中、スーッとベランダ側の扉がゆっくり開く音がした。(施錠を忘れていたよう)

お化けかドロボーかも知れない!

と思い、恐怖に耐えながらベッドのサイドに身を潜めていると…

カーテンの向こうからコミュニケーションが全くとれない、他室の独歩のおばあちゃんO氏が「はいはい、えーえー」といいながら登場!!

いるはずがない所に思いもよらない人がいるという現象も逆に衝撃ですね。

ちなみにそのおばあちゃんは一生懸命ぬいぐるみの犬を育てていました。自分の食事を残してワンちゃんにあげたり、一緒に寝たりしていました。

 

火事場のくそ力

ある夜勤中に他のフロアから普段車椅子のおばあちゃんで所在確認できない人がいると応援要請。

車椅子は部屋においてありました。フロアの隅から隅まで探すも発見できず、一緒に誰かと寝ている可能性もあるかもと、布団の中を見てみるも見つからず。能力的に他の階へ行くことは考えにくいが、全館捜索する事になりました。

全館探し始めてまもなく、下の階の屋外の非常階段付近に座り込んでいるのを発見。幸運なことに大きなケガはありませんでした。おばあちゃん曰くここを抜け出そうと思ったとの事。ベランダより非常階段まで行き、自力で階段を下りたんだと思います。

高齢者でもいざとゆうときには普段の能力以上の事ができるんだと思い知りました。

 

 

 

高齢者の相手の仕事をしていると、同じような出来事に遭遇することが少なからずあると思います。

特に家や施設から出て行って所在確認が取れないときには大騒動です。警察にもお世話にならないといけないです。

我が町豊中では、徘徊者情報が登録したボランティアのメール会員に一斉に拡散されます。もちろん訪問事業をする身として私も登録しています。探す人が多いと早く見つかりますしね。

しかしそのようなシステムがなかった場合にはどうしたらいいのでしょうか。それは地域の自治会や住民の存在だと考えます。

高齢者や認知症に関しての理解を深めれば、また介護施設の存在や認知症高齢者が回りに住んでいるという事をオープンにしていけば、きっとそれに変わるものができると思います。

介護・医療などいろいろな事業所があります。小さな事業所でもかまいません。地域に根ざし地域に開けた事業所を作ることが、地域・事業所ともにプラスになると思います。